Robert Frank ロバート・フランク




Robert Frank
ロバート・フランク


スイス〜アメリカ, 1924 -

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Robert Frank ロバート・フランク

ロバート・フランクは1924年、スイスのチューリッヒに生まれました。
1947年に23歳でアメリカに移住、当初は商品撮影やファッション写真で生計を立てていましたが、その後ヨーロッパ各地を旅しながら写真を撮りました。

1955年、グッゲンハイム財団の奨学金を得て、アメリカ全土の撮影旅行に出ます。約2年間の旅で撮影した写真を編集したのが、写真集「The Americans」です。



Robert Frank ロバート・フランク

旅を始めた頃のフランクは、まだアメリカでは新参者といっていい存在でした。そして、当時のアメリカン・カルチャーのド派手な狂気と、一方では妙に心を動かされるという矛盾を体験し、それこそ口も利けないほどの驚きを感じていたかもしれません。こうしたショックは、大人になってからアメリカに移住してきた多くの人々が経験したものでしょう。

ほんの一握りのアーティストや知識人だけが、逆にこの経験をクリエイティブな世界での武器にすることができました。新しい国への移住が、まるで生まれ変わりを意味するように。



Robert Frank ロバート・フランク

1950年代、深い独創性をもつ写真家としてのロバート・フランクの登場は、急進的なニュー・カルチャーという現象を、アート的な立ち位置で表現することに成功したというひとつの尺度となりました。

いずれにせよ、彼の作品がこの時代に劇的な変化を遂げたことは否定できません。
ヨーロッパでの初期の作品はほとんど「豪華」といってもいいものでした。視覚的には豊かで、詩的で難解で、精神的に華奢な印象で、表面上は絵画のようにすら見えました。しかし、次第に彼の写真から既存の芸術的な価値に対する執着を感じさせるものが消えていきます。 フランクの作品は乾いて、贅肉がそぎ落とされ、そして透明になりました。
彼は、新しい武器を創り出したのです。例えるなら清潔で機能的ながらアメリカ的という、両刃の斧のような武器です。


Robert Frank ロバート・フランク

フランクの写真の題材は、それ自体決して衝撃的なものではありません。誰もが知っているクロム鋼やプラスチックの軽食堂、自動車のテールフィン、ジュークボックス、モーテル、オートバイなどなど。しかし、これらの題材を、この時代の首尾一貫したイコノグラフィーとして認めたのはフランクがはじめてでした。

右の写真は、当時それらがまったく新しい種類の写真であったという典型的な見本です。
ここで描写されている人間は単に顔が見えないというだけでなく、何を考えているかも不明です。ピカピカ光る金管楽器のスーザフォーンからは縞模様の漫画のふきだしが飛び出し、形ばかりの愛国心を高らかに宣言しています。彼の両脇には仲間が立っていますが、どちらも正体不明であると同時に信頼できる人物に見えます。

さらにこの写真が撮影されたのが、大統領選に2度敗北した民主党政治家アドレー・スティーブンソンの政治集会であったということも、ある意味ふさわしいというか、どこかおかしくて哀しくて、そしてより真実に迫っているのです。

まさに、言葉では表しきれないリズムを感じます。




- ロバート・フランク フォト・ライブラリー -

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ロバート・フランク Robert Frank
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ロバート・フランク Robert Frank
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ロバート・フランク Robert Frank
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ロバート・フランク Robert Frank
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ロバート・フランク / キュレーターおすすめの写真集
The Americans

グッゲンハイム財団の奨学金を受けて1955年から56年にかけてアメリカ中を駆け巡り、持ち帰った写真の数々は、当時のアメリカを忠実に描写し、その後辿ることになる道を暗示している…。ロバート・フランクの代表作。


Looking in: Robert Frank's The Americans

上記の写真集「アメリカンズ」の刊行50周年を記念してワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アート等で行われた写真展のカタログとして出版されました。貴重な画像が満載です。




Robert Frank: Moving Out Robert Frank: Moving Out

ワシントンD.C.にあるナショナル・ギャラリー・オブ・アートで開催された回顧展を記念して出版されました。145点のモノクロ写真、15点のカラー写真を収られています。




ロバート・フランクのことば・名言集
  • 私はしばしば、被写体を自分の見解に沿うように故意にねじ曲げていると非難されてきた。ともあれ、写真家にとって生命とは無関心ではいられないテーマである。意見は一種の批判から成ることがある。しかし批判は愛からも生まれ得るのだ。他人には見えない何かが見えるということが重要だ。おそらくそれは希望の、もしくは悲哀の表情。また、写真を撮るのは常に自分に対する瞬間的な反応なのである。


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