Garry Winogrand ゲイリー・ウィノグランド




Garry Winogrand
ゲイリー・ウィノグランド


アメリカ, 1928-1984

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Garry Winogrand ゲイリー・ウィノグランド

ゲイリー・ウィノグランドは1928年、ニューヨークで生まれました。

1946〜1947年の第二次世界大戦中、空軍に所属していたときに写真を始め、1947年にニューヨーク市立大学で絵画を、1948年にコロンビア大学で絵画と写真を学びます。その後アレクセイ・ブロドビッチのもとでフォトジャーナリズムを学んだあと、1952年から1969年までフリーのフォトジャーナリスト兼広告写真家として活動しました。

最初の個展は1960年。1962年のキューバ危機が彼自身にも作品にも大きな影響を及ぼしたといわれ、仕事以外に、ニューヨークのストリートの写真を撮るようになります。

1966年にはリー・フリードランダー、デュアン・マイケルズ、ブルース・デイヴィッドソン、ダニー・ライアンとともにジョージ・イーストマン・ハウスで「Toward a Social Landscape」展を開催。翌年にはリー・フリードランダー、ダイアン・アーバスとMoMA(ニューヨーク近代美術館)で「New Documents」展を開催しています。


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1960年代前半に撮影したストリート・フォトにおいて、ウィノグランドはロバート・フランクの写真集「The Americans」にヒントを得た視覚的戦略を展開させました。
それはハンディタイプのカメラに広角レンズを使用するというこれまでにない試みです。 当時、広角レンズはある特定の距離のときだけに使う特殊なツールという位置づけがされていたので、このため、ほとんどの写真家は文字通り壁を背にしていてこれ以上対象から遠ざかることができないという状況でない限り広角レンズを使おうとはしませんでした。

しかしウィノグランドは、より近い距離から彼が撮影したいものすべてをフィルムに収めるためにそれを使うようになったのです。こうして、例えば通常なら顔のアップを撮るような距離から、通りを歩く人々全体を撮影することができました。このような非常に近い距離からだと、相手の靴は上から見下ろす格好になり、顔は正面かやや下にありますので、この距離感で撮影すると実際の身体の比率とは違うため、どこか違和感のある不安定な複雑性を醸し出します。

こうした戦略でもってストリートで人物を撮影するということは、必然的にカメラは地面と垂直ではなくなることを意味します。カメラを構え、目の前の人物をフレームいっぱいに収めようとすれば、レンズは人物の臍のあたりを向き、カメラは約45度前方に傾いているはずです。 この状態では、どんなレンズを使っても建物の壁は画面に対して垂直ではあり得ず、壁同士は平行になり得ません。建築学的にこれは事実に反しています。しかし広角レンズはより広い画角をもつために、さらにその効果が強調され、建築学上のあらゆる感覚を破壊してしまいます。


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そのなかで一種の安定性を取り戻すため、ウィノグランドはフレームを傾ける実験を行いました。フレームの左端にあるものが垂直に写るようにカメラの右側を下に傾けたり、その逆を行ったり、どこか一カ所を垂直にするためにカメラの角度を調整したりしました。
このプロセスを通して、ウィノグランドは今までになく自由自在に写真の構図を決めることができると感じました。フレームを傾けることで広角レンズの行き過ぎた傾向に一種の抑制をかけることができるだけでなく、彼の写真が意味する直感的な感覚をさらに強めることもできるようになったのです。

ただし、ウィノグランドは広角レンズやソフト・フォーカスレンズなど、写真に単なる視覚的効果をもたらすために技術的な効果を使用することに否定的だったので、最終的に21mmの超広角レンズを使うという試みは断念しました。なぜなら、そのレンズではどう頑張っても「いかにも人の注意を引きそうなマンネリ化した」効果が見え隠れしてしまうからです。

数年後、ウィノグランドが講師を務める講義のあとで学生が「なぜフレームを傾けるのですか」と質問したとき、彼はしばしば「必要なものをすべてフレームに収めたかっただけ」と答えています、彼のネガから一コマ一コマどのように撮影していたかを見てみると、最初は左に傾けたかと思うと次は右に傾け、被写体のもつエネルギーを最良の形で表現するための配置をあれこれ工夫しながら探していることがわかります。


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ウィノグランドは、これは高い評価を得るだろうと思うような写真を撮ることには興味を持ちませんでした。彼の写真に対する姿勢を表すのに広く引用されているのは、「自分に興味を抱かせたものが、写真にしてみるとどのように見えるのか、それが知りたくて撮影する」という彼自身の言葉です。

そして、彼の興味を引くモチーフは無尽蔵に広がっていたので、彼は常に撮って、動いて、フレーミングと視点を修正して、再び被写体の構成要素を再編集して撮影を続けました。

その写真は事実を撮影しながらも非常に示唆に富み、その一枚からアルフレッド・ヒッチコックが映画にしそうな、いやそれ以上に複雑で美しいものです。

ウィノグランドは1984年に亡くなりましたが、死後、膨大な数の未現像フィルム、未整理のネガが残されているのが発見されました。




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ゲイリー・ウィノグランド / キュレーターおすすめの写真集
Winogrand: Figments from the Real World

ウィノグランドの死後、ニューヨーク近代美術館で回顧展が開催されました。これはその回顧展に合わせて刊行されたものです。MOMAのキュレーターであるジョン・シャーカフスキーが、遺された膨大なネガを含むウィノグランドの作品をまとめたもので、これまで未発表だった作品も多く、必見の写真集です。


The Man in the Crowd: The Uneasy Streets of Garry Winogrand

ウィノグランドの代名詞ともいえるストリート・フォトに焦点を絞った記念すべき写真集。1960年代後半から70年代前半にかけてのニューヨークを中心に、路上で繰り広げられる人間模様を絶妙に切り取っています。



Public Relations

1969年にウィノグランドが始めた写真プロジェクト「イベントにおけるメディアの影響」をまとめた写真集です。美術館のオープニング、記者会見、スポーツの試合などさまざまなイベントと当時のアメリカ人の姿が見事に描写されています。


The Animals The Animals

1968年に発表された『アニマルズ』。ストリートを離れ、動物園へと向かったウィノグランドが、さまざまな動物とそれを見ている人間たちで溢れる都会のジャングルのなかで捕らえたものは?




ゲイリー・ウィノグランドのことば・名言集
  • 写真とは、フレームのなかで何が起こりうるかを見つけ出すことです。ある事実の周囲を4本の線で縁取りすると、その事実を変えることができるのです。
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