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マヌエル・アルバレス・ブラーボのことば・名言集


マヌエル・アルバレス・ブラーボのことば・名言集
写真家の主な道具は自分の眼です。ところが奇妙なことに、多くの写真家が自分の眼ではなく、過去から現代に至る写真家のうちの誰かの眼を借りているように思えるのです。そういう写真家は盲目といえるでしょう。
「芸術」という言葉は実にあてにならないものです。作品を見るとき、この言葉はまったく重要ではありません。わたし自身は喜びを得るために作品をつくります。制作する喜びです。それ以外のことは、批評家にあれこれ言わせておけばいいのです。
わたしは1902年2月4日、メキシコシティで生まれました。大聖堂の裏側にあたり、古代のメキシコの神々を祀る寺院が建っていたに違いない場所です。初等教育は受けましたが、その後は独学で勉強しました。わたしは長年、国の役人として会計の仕事をし、巨額で現実味のないお金を取り扱ってきました。以前からアートには興味があったのですが、軽率にも写真がいちばん簡単だろうと思い込んでしまったわけです。写真以外の分野にどれだけ熱意があったか思い出してみても、やはりわたしはいいタイミングで自分の進む道を見つけたのだと思います。
ポピュラーアート(大衆芸術)は人びとのためのアートです。大衆向けの画家は芸術家というより職人でした。彼らは中世では、名前すら知られていない存在だったそうです。そういった作品は宣伝する必要がありません。自分の周囲の人々のためだけに絵を描いたからです。うぬぼれた自称芸術家に限ってしきりに有名になりたいと切望するものです。そして作品のためではなく、自分の名声のために制作するのが特徴です。宣伝によって無理やり広められる名声のために。

スペインに征服されるまで、あらゆる芸術は人びとのためのものでした。メキシコにおいて大衆芸術は途絶えることなく常に存在していたのです。ポピュラーアートと呼ばれるものは、はかなく消えてゆく運命にあり、壊れやすいものです。そこには学校で教える芸術のような、非人間的でインテリな特徴が見当たりません。ポピュラーアートは作家自身の経験や社会によって育てられた才能が生み出すアートであり、歴史上の画家の経験や他国の文化によって作られるものではないのです。
わたしは自分の役割をやりおおせたと感じています。どんなやり方にしろ、何らかの貢献ができたのではないかと思います。その点ではとても満足しているのです。


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